族長の令嬢である花礼は、モモンガ一族の臆病な気質を受け継ぎながらも、心の底から冒険を愛している。その衝動に突き動かされるまま、彼女は首席の成績で冒険学院初のモモンガとなり、動物心理学を専攻した。
三年の月日が静かに過ぎ、卒業実習を修了するため、花礼は1000元の予算で、これまで一度もやったことのないことを五十個やり遂げなければならなくなった。校門を出て数歩も行かないうちに、彼女は街角で謎めいた露店の本屋を見つけた。見れば、そのツインテールの少女店主が指先をひとひねりした途端、数冊の秘伝書が、孔雀が羽を広げるように手の中で扇形に開いた。
「そこのお嬢ちゃん、見たところ天賦の才に恵まれ、骨格も実に非凡。百年に一人の除霊の天才とみた。たったの999元で、ここの秘伝書はどれでも選び放題だよ」
「買います!」少女はためらいなく現金を取り出すと、本の山から『灰仙速成』を一冊、無造作に引き抜いた。
本に魔力があったのか、それとも花礼が本当に天賦の才の持ち主だったのか、彼女はあっという間に除霊師の入門を果たし、さらには掃除機をベースに自分の除霊法具を錬成して、「小花」と名づけた。
本の内容をすべて学び終えた少女は、新しい本と取り替えてもらおうと露店に戻ったが、そこはとっくにもぬけの殻だった。だが、すでに除霊師となった花礼にとって、そんなことは何でもない。霊視でさっと見渡すだけで店主の足取りを突き止め、最後には「VR」の二文字が書かれた、怪しげな会社にたどり着いた。
ボスのオフィスで再会した露店の店主。その手にあったのはもはや秘伝書ではなく、インクも乾ききらない一枚の契約書だった。
「来たね。うちは今ちょうど除霊部を立ち上げているところでね。事業拡大ついでに、予算もちょっと消化しておきたいんだ。君が来てくれるなら、即、新部署の部長に昇進だよ」
こうして新米除霊師の花礼は、正式にVirtuaRealの一員となり、除霊部の部長兼ただひとりの部員に就任した。現在、除霊のご依頼は待ち時間なし。来たらすぐ祓い、その場ですぐ吸い込みます。
これからの活躍に、どうぞご期待ください。