ホームズと同じ国籍を持つ美少女として、千春は自分に並外れた探偵の才能があると信じて疑わない。もっとも、学校の探偵部で部長を務めていながら、事件解決の記録はいまだに0件なのだが。「そう遠くないうちに、絶対に初めての事件を解決してみせるんだから」と口では言いながらも、千春が一番やりたいのは、やはり十七年前に禁断の恋が原因で家を出たきり、今も音信不通の姉を見つけ出すこと。それこそが、彼女が探偵になったそもそもの原動力でもある。そんなある日、いつものように虫眼鏡を手に、街角で、あるかどうかもわからない手がかりを探していた彼女は、普通の人には到底見つけられない秘密の片隅(要するに露店の上)に隠されていたVirtuaRealの配信者募集広告を、目ざとく見つけ出した。細心かつ緻密な推理の末、配信活動をすれば姉の目に留まる可能性は高く、そうすれば姉を見つけるという目標も果たせると考えた彼女は、喜び勇んでVirtuaReal本部へ向かい、見事合格した。しかし、この17歳の少女探偵は、自分が選ばれた本当の理由を知らない——それは断じて、あの眉唾ものの『観察眼が鋭い』『細部まで目が行き届く』『他人をたやすく正しい道へ導ける』といった長所のおかげではない。曲がり角のそばにいる猫さえ見つけられない彼女の洞察力は……なぜか間違い探しにかけてだけは群を抜いているのだ。この明るく社交的な少女が、周りの人たちを心の日陰から連れ出してくれることを願おう。
これからの活躍に、どうぞご期待ください。