清良はいつも、炎の魔法に心血を注ぐ優雅な「芸術家」を自称している。だが、ここしばらくの我々の観察によれば、その振る舞いは優雅という言葉にまったくそぐわない。ほんの少し副流煙を吸い込んだだけで商品棚をまるごと一列吹き飛ばすこともあれば、車の排気ガスを浴びせられただけで手にしたぬいぐるみ型爆弾を投げつけることもある。さらに、蠕動種や虫属の生き物を目にしたときに繰り出す爆裂魔法ときたら、誰もが尻込みするほどだ。清良本人は、自分の考え方も内面も、今の肉体よりはるかに成熟していて豊かなのだと力説しているが、この当てにならない振る舞いを見る限り、十中八九は嘘だろう。なにしろ、抱き枕がないと眠れず、いつももふもふの小動物とくっついているこの少女が、成熟だの頼りがいだのといったものと少しでも関係があるとは、誰も思わないのだから。何度かのおとり調査を経て我々が確認できたのは、清良が正真正銘、別の世界からやってきたということだ。この危険度がきわめて高い人物に、取り返しのつかない事故を起こさせないため、我々は決断した——彼女を、ゲームに夢中なオタク女子にしてしまおうと。しーっ、ご覧のとおり、この計画も順調に進行中だ。