個性を存分に発揮し、何はばかることなく、好き放題に振る舞う——悪魔にふさわしい資質が、薩麦爾には余すところなく表れている。超然たる地位にあるこの悪魔の若者は、心に思ったことを四方に向かって高らかにぶちまけることを恐れない快男児だ。
言葉巧みに誘惑するといった手管は、薩麦爾にとってお手のものだ。なにしろ、どれほど高位の悪魔であろうと、人間の魂を食らわねばならないという本能からは逃れられない。そして、魔法や契約といった古臭い手口が苦手な彼は、話術を極限まで磨き上げることで、日増しに膨らむ食い意地を満たしてきたのである。
彼のデビューの目的については、周囲からとかくあれこれ言われている。少女を引っかけるためだとか、荒くれ者をたぶらかすためだとか……。だがいずれにせよ、薩麦爾は彼だけの武器を手に、自らが最も得意とし、最も慣れ親しんだやり方で、そうした憶測の一つひとつに応えていくことだろう。
これからの活躍に、どうぞご期待ください。