水族館から自力で命からがら逃げ出してきたこのアメフラシのお嬢さんには、我々も心から敬服している。獣娘が捕まったら最後、ほぼ一生おしまいというこの奇妙なご時世、責任感というものがなければ、我々とておそらく彼女を監禁せずにはいられなかっただろう。我々はこのお嬢さんに何度も遠回しに言い聞かせ、ようやく理解してもらうことができた。人間社会で身を立てていくのはなかなか面倒なもので、少なくとも、毎日光合成と背泳ぎをしていれば生きていけるようなものではないのだと。さらに困ったことに、彼女はとある「名も知らぬ声」(聞くところによると、彼女たち——あるいは彼ら——はすでに会ったことがあるらしいが、どういう関係なのかは定かでない)と一緒に、海の見える部屋で暮らすことを強く望んでおり、それで我々のもとへ助けを求めてやって来たのである。あらゆる面から熟慮を重ねた末、我々は彼女のために最高の機材を整えた。このアメフラシのお嬢さんの声なら、きっと彼女の配信ルームに集う少年少女たちを楽しませてくれることだろう。
これからの活躍に、どうぞご期待ください。