少女は病院で目を覚ました。カルテには頭部を強打したとあって、聞くだけでぞっとするが、記憶の一部を失ったこと以外には、これといった異常はないようだ。肌身離さず持っているKuyaを連れて、わずかに残った記憶を頼りに家へ帰ってみると、そこはひっそりと静まり返り、ほかの誰かがいる気配もない。どう見ても、ここが恋詩夜の家で間違いない。 退院してからも、生まれつきの貧血体質のせいで、恋詩夜は引きこもりの美少女として過ごすしかなかった。だが、穏やかな日々にはすぐに波風が立ち始める。まずは、ネット上でいつも説教口調で話すせんせい。いつも昼休みになるとカーテンの外に現れる猫耳のシルエット。それに、「新規登録歓迎」なんてハンドルネームの変わり者。三人の新しい友達は、示し合わせたわけでもないのに、そろってある話を持ち出してきた。それこそが、恋詩夜が今VirtuaRealに加わり、自らの配信を始めた理由なのである。
これからの活躍に、どうぞご期待ください。