インターネットの奥深くにある小さな掲示板で、ある人がこんな都市伝説を紹介していた。
明け方の四時、まだひとりで街をさまよっていると、どこかの交差点でひとりの少女に出会うことがあるという。恐ろしく分厚い赤いマフラーを巻き、黒い学生服に身を包んだ彼女のそばには、たいてい交通計画の理屈にまるで合わない禁止標識が立っている。ひとたび目が合うと、彼女は鼻歌を歌いながら足早に近づいてきて、手品のように一枚のチラシを差し出し、こちらが何か尋ねる間もなく、その標識もろとも姿を消してしまう。
投稿には、そのチラシの写真も添えられていた。すべて手描きのチラシで、線の粗い落書きのような絵のほかに、判読しづらい文字がいくつか混じっている。ネットユーザーたちが議論した結果、どうやらこれは「四時小路ソロライブ」の告知らしいということになり、書かれているのは公演日だけで、会場についての記載がないことも確認された。
誰もがただのいたずらだと思っていたところ、チラシに書かれた日付の当日、明け方の四時になると、人々の身の回りの機器が何の前触れもなく、この少女の歌声を流し始めた。被害に遭ったのは、チラシを受け取った人だけではない。掲示板で写真を見ただけの、無関係な通りすがりまで巻き込まれたのだ。一曲歌い終えたあと、少女の得意げな笑い声と、フリー効果音素材のような盛大な拍手が鳴り響いて、ようやく公演は終わったらしかった。
正直に言って、これははた迷惑にもほどがある。こうして「四時小路のチラシ」は、掲示板で投稿禁止のコンテンツになった。
これには四時小路も少々頭を抱えた。これでは自分の影響力を広められないではないか。そこで四時小路は、自らアカウントを登録して、歌の投稿を始めることにした——自分の歌声をもっと多くの人に聴いてもらえたら、いつかきっと、夢にまで見た「主人公」になれるはずだから。
これからの活躍に、どうぞご期待ください。