阿梓に対する周囲の評価は、親しくなるにつれて三段階でエスカレートしていく。おしゃべりが止まらない女の子。いつまでもブツブツつぶやいている筋金入りのオタク女子。売り飛ばされながら、その代金を数えるのまで手伝ってくれる超チョロいおバカさん。だが間違いなく言えるのは、彼女の話にうんざりする人は絶対にゼロだということだ。なにしろ阿梓の口から出る言葉は、決して自分本位なたわごとなどではないのだから。彼女はいつも人の興味を惹きつけてしまう。しかもそれは本人が狙ってのことではない。ただ自分の好きなものを、堂々とさらけ出して人に見せているだけなのだ。そういうわけで我々は、こいつを世間の目の前に放り出すべきだと満場一致で判断した。パソコンをつけて「配信」というものを始めるだけで、大好きなお菓子やゲームが山ほど買えると教えたところ、彼女は案の定、光の速さで承諾したのである。