彼女は最新型のロボットでありながら、出荷時の事故で声が完全に男性のものになってしまい、極度の劣等感に陥った。とても貧乏なのに、自宅アーティストとしての活動にずっと打ち込んでいる。勉強が大好きなのに、いつも何かと理由をつけてはサボり始めてしまう。単純なようでいて複雑な彼女は、燃費のいい体でなかったら、とっくにスクラップになっていたことだろう。このロボットのお嬢さんは大の出不精で、外出する必要がなければ、何か月でも家の中で丸まったまま一歩も外に出ずにいられるほどだ。だからといって、生活の心配がないわけではない。ただ単に、女性なのに男性の声でしゃべる自分が、周りから後ろ指をさされるのが怖いだけなのだ。しかし幸いなことに、ネットに投稿した歌と、オカン系男子のような性格が多くのファンを惹きつけ、おかげでなんとか暮らしていけている。そして最近、体のどこかにバグでも発生したのか、それとも引きこもっていた期間が長すぎたせいか、彼女は寂しさを恐れるようになり、他人とコミュニケーションをとってみたいと思い始めた。彼女を知る人たちは、このことを喜ぶべきかもしれない——曲がりなりにも彼女は、配信という手段で、他人とごく普通のコミュニケーションをとろうとし始めたのだから。
これからの活躍に、どうぞご期待ください。