「みなさんこんにちは、歳己Suiです。はじめまして、よろしくお願いします。自己紹介は以上です……」
「ん? 短すぎたらダメですか……」
目の前の白髪の少女は不安げな表情を浮かべると、続けてこう説明した。
「家族からはいつも、落ち着きとかおしとやかさとか、そういう美徳を身につけなさいって言われていて。それで最近、話し方を一から勉強し直しているんです」
面接官は手元の履歴書を開いた。ふむ、これは鳥だ。
「家族はこうも言っていました。どんなに歌がうまくても、おしゃべりが過ぎたらただの騒音になるだけだって。でも、鳥に落ち着きとおしとやかさを強いるなんて、ほんとに難しすぎますよ——」
「わたしは自由に憧れてるんです、騒ぎたいんです、もう本当に我慢できないんです——」
面接官は履歴書を閉じると、歳己Suiをまじまじと見つめ、次に壁の掛け時計に目をやり、最後に冷静に眼鏡をくいっと押し上げた。
「だから、外に出て世の中を見てみたいんです。もしかしたら、何か変わるかもしれないじゃないですか? これから先、わたしがはしゃぎすぎたら、忘れずに注意してくださいね! 約束ですよ!」
ふむ、やはり鳩時計の鳩は替え時だな。
これからの活躍に、どうぞご期待ください。